[モデルコース]
開明庁舎→櫻井神社→契沖の碑→尼崎城碑→尼崎港駅跡→深正院→大物崩れ戦跡碑→金楽寺駅跡→長洲天満宮→中国街道の道標→長洲貴布禰神社→旧街道筋の街並み→稲川橋跡→大物公園(阪神電鉄大物駅)
(距離)約3.2km
(建物の内部や施設内を見学しない場合の所要時間)約1時間30分
尼崎港線の廃止まで
明治24年、尼ヶ崎駅(後の尼崎港駅)と伊丹を結ぶ川辺馬車鉄道が開通。
以後、摂津鉄道、阪鶴鉄道を経て明治40年に国有化され、国鉄福知山線の尼崎支線となりました。
当初、尼ヶ崎駅があった辺りは、市役所や警察署といった官庁が立ち並ぶ中心地でした。ところが、明治38年に阪神電気鉄道が開業して以降、中心地は、尼ヶ崎駅周辺から阪神尼崎駅周辺へと徐々に北上していきます。
その後、昭和24年には南城内の尼ヶ崎駅が尼崎港駅に、神崎駅が尼崎駅に改称。尼崎支線は通称「尼崎港線」と呼ばれるようになりましたが、乗降客の減少から昭和56年に旅客運行を廃止し、同59年には貨物も廃止。尼崎港線は廃線となってしまったのでした。
ちなみに尼崎城の1階まちあるきゾーンでは、下のような現代の地図と昔の地図を重ねて、町の変化を見ていただくことができます。
まちあるきスタート!
1 開明庁舎(旧開明尋常小学校)
阪神尼崎駅から南へ徒歩2分。
昭和12(1937)年竣工のモダニズム様式の建物で、かつては小学校として使われていました。
今は国登録有形文化財に登録されています。
校庭の塀には、太平洋戦争末期、米軍による機銃掃射の攻撃の跡と思われる弾痕が残っています。
2 櫻井神社
尼崎藩主桜井松平家の代々を祀っています。
活動休止中ですが、某アイドルグループのメンバーと同じ名前ということで、ファンの方々が書いたと思しき絵馬がたくさんあるんですよ!
3 契沖の碑
4 尼崎城碑
明城小学校の南西に立つ尼崎城跡。こちらは、かつて尼崎城の濠にかかっていた橋の石柱を転用したもの。年季を感じます。
5 尼崎港駅跡
開明庁舎より歩いて10分ほどで、尼崎港駅跡までたどり着きました!
ここから北上し、かつての尼崎港線が通っていた場所を辿っていきます。
現在、尼崎港駅の建物は残っていませんが、尼崎港駅跡の交差点に建つ建物は、当時から残る物流会社の事務所です。
貨物を多く扱う駅だった関係で、このような会社の事務所があったようです。
6 深正院
尼崎藩主桜井松平家が、自らの菩提寺として建立した寺院です。
かつての本堂は尼崎城の廃城に伴い、本丸御殿の金之間を買収移築したものでしたが、戦災で焼失してしましました。
7 大物くずれ戦跡碑
大物くずれの戦跡碑は、戦国時代、室町幕府の有力者・細川高国が内部の対立に敗れて自害した、享禄4(1531)年の戦いにちなんだものです。
8 大物跨線橋跡
国道2号が尼崎港線の線路と交わっていた場所です。
左右に通っているのが国道2号。
この辺りを尼崎港線が南北に延びていました。
9 金楽寺駅跡
金楽寺駅跡は、現在空き地になり、立ち入り禁止でした。
残念ながら、ここが駅だったと知ることのできるものはなさそうでした……。
しかし、かつての金楽寺駅はというと、このような風景が広がっていたようです。
10 長洲天満宮
金楽寺跡の正面には、長洲天満宮があります。
こちらは、菅原の道真を学問の神として祀る長洲天満宮です。
道真が太宰府に流される途中に長洲で滞在した際、贈った自画像を祀ったのが由縁と伝えられています。
桃山時代の特色をよく示した建造物で兵庫県指定重要文化財です。
11 中国街道の道標
公園の中に、中国街道の道標があります。
昔はこれを目印に人が往来していたのか……としみじみ当時に思いをはせました。
12 長洲貴布禰神社
長洲貴布祢神社は、長洲御厨(京都鴨社の社領)と深い関係のある貴布禰社(貴船社)の分社で、現在西本町にある貴布禰神社の元宮だと言われています。
13 稲川橋
国道2号まで戻ってきました。
かつての稲川が地下道に姿を変えて国道2号線の地下を横断しており、地面のタイル絵で川の流れが再現されています。
14 大物公園
終点は大物公園です。
大物駅を通って南へ抜けると、阪神大物駅があります。
役目を終えたD51の展示もあります。
普段はフェンスの向こうには入れませんが、毎月第3日曜日には解放されています。(冬季を除く。)
おわりに
尼崎港線が賑わっていたころは、まちの様子も今とは大きく異なっていたのでしょうね。
コース中には史跡や神社など、時代時代の尼崎の姿が刻まれているものが多々ありました。
皆様も、コースを歩いて、尼崎のこれまでの足跡を探してみてくださいね。
参考:図説 尼崎の歴史-現代編(http://www.archives.city.amagasaki.hyogo.jp/chronicles/visual/05gendai/gendai3-c3.html)